ピックルボールを始めたばかりのプレイヤーが最も混乱しやすいポイントの第1位が、ダブルスにおける「スコアコール(得点の発声)」と「サーバーの交代順序」です。

テニスやバドミントンとは異なり、ピックルボールのダブルスでは「4 - 2 - 1」のように数字を3つコールします。さらに、ゲーム開始時だけはなぜか「0 - 0 - 2」からスタートするという独特のルールが存在します。

本記事では、公式競技規則(USA Pickleball Official Rulebook 4.B / 4.D)に厳密に基づき、スコアコールの意味とサーバー交代の流れを図解でわかりやすく解説します。

ダブルスのスコアコールとサーバー交代ルール図解

1. スコアコールの基本:3つの数字の順番

ダブルスでサーブを打つ直前には、必ず大きな声で3つの数字を順番にコールしなければなりません。

【 コールの基本形 】

「 サーバー側の得点 」 ー 「 レシーバー側の得点 」 ー 「 サーバー番号(1 または 2) 」
順番 コールする内容 具体例(例: 4 - 2 - 1 の場合)
① 1つ目の数字 サーブを打つ側(自チーム)の得点 自分たちは現在 4点
② 2つ目の数字 レシーブを受ける側(相手チーム)の得点 相手チームは現在 2点
③ 3つ目の数字 現在のサーバー番号(1人目か2人目か) 自ペアの 1人目(1stサーバー)
⚠️ サーブはコールが終わってから打つ!

スコアコールを完了する前にサーブ動作を開始したりボールを打ったりすると、サービスフォルト(反則)となる場合があります。必ずコールを終えて相手が構えてから打ちましょう。

2. サーバー交代と「サイドアウト」の流れ

ダブルスでは、1つのサーブ権(イニング)の中でペアの2人ともが順番にサーブを打つ機会を持ちます。

① 1stサーバー(1人目)の攻撃

  • 自チームが右側コート(偶数コート)からサーブを打ちます。
  • 得点した場合:自ペアの2人が左右の立ち位置を入れ替え、同じサーバーが左側(奇数コート)から継続してサーブを打ちます。(スコア例: 5 - 2 - 1)
  • ラリーに負けた(ミスした)場合:サーブ権は相手に移らず、ペアの相棒である2ndサーバーへ交代します。コート位置はそのままで、パートナーがサーブを打ちます。

② 2ndサーバー(2人目)の攻撃

  • パートナーがその時点の立ち位置からサーブを引き継ぎます。
  • コールの末尾は「2」になります。(スコア例: 4 - 2 - 2)
  • 得点した場合:同様にペア内で左右を交代し、継続してサーブを打ちます。(スコア例: 5 - 2 - 2)
  • ラリーに負けた(ミスした)場合:ペア2人ともが攻撃権を消費したため、サーブ権喪失(サイドアウト)となります。

③ サイドアウト(相手チームへの移行)

  • サーブ権が相手チームに移動します。
  • スコアコールの順番が入れ替わり、「相手の得点」が先頭に来ます。
  • 最重要ポイント:相手の番に移ったら、必ず相手の「1stサーバー(末尾番号 1)」からリスタートします!(スコア例: 相手2点・自分4点なら 2 - 4 - 1)

3. なぜ試合開始は「0 - 0 - 2」から始まるのか?(公式規則 4.B.8)

初心者が最も疑問に感じるのが、「試合が始まったばかりの0対0なのに、なぜ末尾が『1』ではなく『2』なの?」という点です。

実はこれには極めて合理的な理由があります。ピックルボールは「サーブ権を持っているチームしか得点できない(サイドアウトスコアリング)」スポーツです。もし試合開始時に先攻チームが2回サーブ権(1stサーバー ➜ 2ndサーバー)を持ててしまうと、先攻側が一気に大量リードを奪うことができてしまい、極めて不公平になります。

そのため、USA Pickleball公式規則(ルール 4.B.8)では次のような特例ハンデが定められています:

【ゲーム開始時の特例規則(公式規則 4.B.8)】

ゲームの第1イニング(試合開始直後の最初のサーブ権)のみ、先攻チームには「1回しかサーブ権が与えられない」。

1回でもミスをしたら即座に相手チームにサーブ権が移る(=実質的に2ndサーバーと同じ扱い)。

このため、先攻チームの最初のサーバーは「私たちは実質2人目のサーバー扱いです」という意味を込めて、試合開始時に『0 - 0 - 2』とコールするのです。

※この「サーブ権が1回だけ」という特別ルールが適用されるのは試合の一番最初(第1イニング)だけです。その後サイドアウトして相手チームに移った後は、通常通り両チームとも1stサーバー(末尾1)から2回ずつの攻撃権を持ちます。

4. 初心者が実戦でやりがちな3大ミスと注意点

❌ ミス1:レシーバー(守備側)まで左右を交代してしまう

正解: 得点したときにコートの左右(右と左)を入れ替えるのは「サーブ側ペアだけ」です。レシーバー側のペアは勝手に左右を交代してはいけません。

❌ ミス2:サイドアウト後も末尾を「2」のままコールしてしまう

正解: 相手チームにサーブ権が移ったら、必ず相手チームの1人目(末尾は1)から始まります。「サイドアウト=末尾は1に戻る」と覚えておきましょう。

❌ ミス3:右側コートからしかサーブが打てないと思い込む

正解: 奇数得点(1点、3点、5点…)の時は、左側コートからサーブを打ちます。自チームの得点が「偶数なら右側、奇数なら左側」からサーブを打つのが基本原則です。

まとめ

  1. スコアコールは3つの数字:「自得点 ー 相手得点 ー サーバー番号(1 or 2)」
  2. 得点したら:サーブ側ペアだけ左右を入れ替えて同じ人がサーブ継続
  3. ミスしたら:1人目ならパートナー(2人目)へ、2人目なら相手(サイドアウト)へ
  4. サイドアウトしたら:末尾は必ず「1」に戻る
  5. 試合開始コールだけ:先攻有利を防ぐため「0 - 0 - 2」からスタート!

この仕組みさえ頭に入っていれば、試合中に「今どっちがサーブ?」「スコアいくつだっけ?」とパニックになることはありません。自信を持って大きな声でコールし、ゲームを楽しみましょう!