
「テニス経験者ならすぐできる」は大きな誤解だった?
テニス歴10年以上の僕が、初めてピックルボールのコートに立ったときのこと。「コートも狭いし、プラスチックのボールだし、楽勝でしょ!」なんて高をくくっていたんですよね。ところが、いざプレイしてみると……見事に打ちのめされました。
テニス経験は間違いなく大きなアドバンテージになりますが、同時に「テニス特有の身体の癖」が強力な壁となって立ちはだかります。今回は、僕が実際にぶつかった3つの壁と、それをどうやって乗り越えたのかという実体験をお話しします。
壁1:キッチン(NVZ)のルールと「強打しがち問題」
最初に僕を苦しめたのが、ネット前のノンボレーゾーン(通称:キッチン)の存在です。テニスならネット際に詰めたらボレーで叩き込むのが鉄則ですよね。しかし、ピックルボールではキッチン内でノーバウンドで打つことが禁止されています。
ついテニスの癖で勢い余ってキッチンに足を踏み入れてボレーしてしまい、反則をとられること数回……。さらに、少し浮いたボールを見ると力いっぱいドライブを打ち込んでしまい、相手に簡単にカウンターを合わされてアウトになるという悪循環に陥りました。
乗り越え方:あえて「打ち込まない」勇気を持つ
この壁を破るきっかけは、ベテランプレイヤーからの「ここではスピードを殺すのが勝負なんだよ」という一言でした。強打するのではなく、相手のキッチン内に優しく落とす「ディンク」を覚えること。テニスの「力で押す」感覚を一度捨て、「コントロールで相手を焦らす」楽しさに目覚めてからは、ゲームの組み立てが一変しました。
壁2:アウトボールを「手を出して拾ってしまう」問題
ピックルボールのプラスチックボールは風の影響を受けやすく、コートも狭いため「明らかにアウト」な球が飛んでくる頻度がテニスより圧倒的に高いです。
しかしテニスの感覚だと、「相手の深いショット=なんとか打ち返さなきゃ!」と体が勝手に反応してしまうんですよね。見送れば余裕でアウトだったボールを、わざわざ難しい姿勢でボレーして失点するパターンを連発しました。
乗り越え方:肩より高いボールは「見送る」習慣をつける
対策はシンプルです。相手が強いショットを打ち、それが自分の肩より高い位置を通る場合、8割以上はベースラインを越えてアウトになります。最初は「見送ってインになったらどうしよう」と怖かったのですが、「迷ったら見送る!」と心に決めてから無駄な失点が劇的に減りました。
壁3:カウントの数え方が呪文に聞こえる
「15-0」「30-15」というテニスのカウントに慣れ親しんだ身にとって、「4-2-1」「5-5-2」といったピックルボール独特のコールは最初、完全に呪文でした。「最後の数字は何!?」「いま誰のサーブ?」と頭がフリーズし、自分のプレイに集中できない時期があったんです。
乗り越え方:サーブ順の構造を「体」で覚える
これはもう習うより慣れろですが、頭の中で「自分たちの得点 - 相手の得点 - サーバー番号(1か2)」と唱える癖をつけました。自分でコールする役割(ファーストサーバー)を積極的に引き受けることで、1〜2週間で自然とスムーズに理解できるようになりましたよ。
テニスの経験は、壁を越えた後に「最強の武器」になる
色々と壁について書きましたが、テニス経験者がこれらの「癖」を修正できたとき、上達のスピードは圧倒的です。打球感のセンスやコートカバー力、フットワークは間違いなく活きてきます。
最初に自分の「テニス脳」を少しだけお休みさせて、ピックルボールならではの戦術や駆け引きを受け入れてみてください。きっと、テニスとはまた違った奥深い沼にハマってしまうはずですよ!